遺産分割には、①現物分割、②代償分割、③換価分割の3つの方法(分け方)があります。 家族構成や遺産の内容などを考慮して、遺産分割の方法を選択することになります。 最近は、③の換価分割の方法で遺産分割協議がまとまるケースが増えています。

●遺産分割の方法

①現物分割

自宅不動産を長男に、A銀行の預貯金を二男に、B銀行の預貯金を三男に、のように現状のまま現物で分ける方法を現物分割といいます。
また、預貯金を長男、次男、三男に均等に分ける方法や土地を分筆して分ける方法も現物分割に該当します。

②代償分割

一部の相続人が不動産などを現物で取得する代わりに、他の相続人に対して代償金などを交付することを内容とする遺産分割の方法を代償分割といいます。

例えば、遺産が自宅不動産だけだったような場合に、長男が自宅不動産を取得する代わりに、長男は二男と三男に金銭を支払うことを合意します。

③換価分割

不動産などの遺産を売却し、その代金をそれぞれの相続人の相続分に応じて分ける方法を換価分割といいます。
遺産の中に空き家になった不動産があるケースにおいて、換価分割の方法を採ることが多くあります。

●最近増えている換価分割

かつては、土地を守り継ぐといった意識が強く、長男が実家の家・土地を相続するケースが多かったようですが、現代においては、そのような考えを持つ人は少なくなっているように思います。 換価分割によって売却した代金を相続分に応じて分け合ったほうが、現代の価値観に合うのではないかと思います。

このように、遺産を平等に分ける方法として換価分割による遺産分割が用いられています。

●換価分割の進め方

①代表相続人を決める

相続人との間で、換価分割をすることが決まったら、遺産の売却手続きを行う代表相続人を決めることが大多数です。

もちろん、代表相続人を決めずに売却手続きを行うことも可能ですが、不動産などの重要な財産の場合には、売買契約や立ち合い、代金決済などの時に、相続人全員が出席しなければならなくなります。

しかし、代表相続人を決めていれば、代表相続人1人が売買契約、立ち合い、代金決済に出席すればよく、スムーズな換価分割が実現できます。

②遺産分割協議書を作成する

売却をして代金を相続人で分けること(換価分割による分割を行うこと)と、売却の手続きを行う代表相続人を記載した遺産分割協議書を作成します。

現物分割による遺産分割協議書とは異なり、換価分割特有の記載が必要となります。

換価分割特有の記載がないと、売却手続きに相続人全員が必要となったり、贈与税が課せられたりするなどの不利益を被ってしまうので、十分に注意して遺産分割協議書を作成します。

換価分割の遺産分割協議書の作成においては、特に、贈与税が課せられない記載をすることが重要です。

③相続登記をする

不動産を換価分割のために売却するにあたっては、売却までに相続登記を済ませておく必要があります。

物件を取得しないで代金を分けるのに、相続登記を入れて相続人名義にすることに違和感があるかもしれませんが、換価分割とは、相続人全員が不動産をいったん相続した上で売却手続きを行うので、相続登記をする必要があります。

ここで、遺産分割協議において代表相続人を決めていた場合には、その代表相続人が相続登記後の名義人となりますが、遺産分割協議書に換価分割についての記載があるので、売買代金は、それぞれの相続人に支払われることになります。

また、遺産分割協議書の換価分割についての記載があることで、それぞれの相続人に支払われた金銭は贈与とはならず、贈与税は発生しないことになります。

④売却手続と代金の受取り

遺産分割協議で代表相億人に指定された人は、買主との売買契約その他売買に関する各種手続きを行い、代金決済(代金の受取り)と買主への名義変更(売買による所有権移転登記)をします。

最後に、代金を代表相続人が受け取っている場合には、代表相続人がそれぞれの相続人に相続分に応じて配分して全て終了となります。

●換価分割の進め方

換価分割は、不動産など分けにくいとされる遺産がある場合に、遺産を平等に分配する遺産分割の方法として最適ですが、遺産分割協議書の記載方法など専門的な知識が必要になります。

当事務所では、遺産分割協議書の作成、必要書類の収集、相続登記から不動産売却手続の代理まで一括して対応可能です。

一般的な司法書士事務所では、相続登記の後の売却については、ご自身で不動産会社を探す必要があります。

また、不動産会社の担当者は換価分割による遺産分割に精通していないので、スムーズな換価分割の実施ができないばかりか、税務的な問題や法的な問題のある売却手続となり、思わぬ課税などの不利益が生じてしまう可能性もあります。換価分割を選択する場合は、遺産分割協議の段階から最後までサポートできる司法書士に依頼することがベストです。

当事務所に一括してお任せいただいた場合には、不動産会社の担当者としっかりとやり取りをして進捗の管理をすることで万全な体制による換価分割を実現しています。

●この記事を担当した司法書士

司法書士法人NEW.S
代表 長岡 健太
保有資格司法書士資格
専門分野相続全般・不動産
経歴1981年 栃木県宇都宮市で生まれる。
神奈川県川崎市にて8年ほど情報通信系の会社員を経ながら、在勤中の2013年に司法書士の資格を取得。
その後、都内の司法書士事務所にて司法書士業を開始。
相続以外の不動産登記手続き、会社・法人の登記手続き、債務整理など、幅広く業務を行っていたが、次第に遺産相続手続きの比重が多くなる。

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